地域にアートは必要か?
座談会|2024

地域にアートは必要か?|artscape

DNPの運営するメディア「artscape」にて、「地域にアートは必要か?」
というテーマにちなんだ座談会企画をスタートしました。
「地域アーツカウンシル」「地域×福祉×アート」など、
まちづくりの文脈から地域とアートの可能性を探る連載です。

「地域にアートは必要か?」を始めるにあたって|影山裕樹

2000年代初頭から2010年代にかけて全国各地で林立した、「ハレの場」ともいえる地域芸術祭。これらの広がりがひと段落し、パンデミックも落ち着きを見せている2024年現在、「ケの場」として地域社会の日常のなかに芸術文化を定着させていくうえで、何が必要なのでしょうか。地域とアート。この異なる志向をもった二つの方向性のズレが、近年、芸術祭に対するある種の地域側の反発や、文化芸術施設の予算の削減というかたちで顕在化しているように感じます。
もちろん、税金はそこに暮らす人々が払っているわけですから、「地域の人はアートがわかっていない」という態度をしめせば、それは余計なお世話だと言われるのは当然です。とはいえ、現代は地元の人だけでは地域づくりが成り立たない時代です。よそ者や現代アートといった新しい風がある一定程度、つねに地域に入っている状態が維持されていくことこそが、これからの地域社会において重要だと思っています。
そこで、ここではまちづくりという視点から、地域の担い手と文化芸術活動の担い手。両者が互いに手に手をとる未来はどこにあるかを考えたいと思います。今回は地域アーツカウンシルという補助線を引きながら、地域の日常にアートがあることの意義と、地域における文化芸術の持続可能性を探ります。

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